「ホライズンブルー」を読んだ。
こんばんはこんにちは。ご無沙汰しております。ええ、多くは語りますまい。怠惰かつ不誠実な人モドキですいません。今月も温かな拍手をいただいて、さすがに更新しなくてはと思い、簡単ではありますがレビューさせていただく次第です。
それでは拍手にお返事をさせていただきます。まず皆様、大変遅くなり申し訳ございません。いつか死んでお詫びします。
- 1月20日に拍手くださった、なまえ〜様へ。
うおぉお!「好き」と仰って頂いて、ものすごくうれしかったです。こんなストレートに響く言葉はありません。・・・私の視点はおそらくスゴイありきたりなくせに精度が著しく低く、あるのはクドさ位だと常々思っています。それゆえ鋭く「こんな視点があったのか!」と唸らせる批評者の方々に劣等感を抱いていたのに褒めて頂いて、、、ちょっと感動しました(泣) なのに更新できず申し訳ありませんでした。ありがとうございました。
- 2月21日に拍手くださった方へ。
拍手ありがとうございました!・・・実は今回リクエストにお答えして内田かおる『それではみなさん』をレビューしようと思っていたのですが、諸事情につき他作品を選ばさせていただきました。申し訳ありません。次回、、、もしかしたら4・5日後に更新できたら書くかもしれません。申し訳ございません・・・。それでは。
- 6月10日に拍手くださった方へ。
拍手ありがとうございました〜。我侭なんてトンデモありません!私が筆不精なもので、お待ち頂いてる数少ない読者様になんとお詫びすればいいやら・・・。上で前述しましたが、私が不勉強なだけでおそらくLGスタディーズやクィアスタディーズでは私の出す視点は目新しいものでなかったり、もしくはもっと精度の高い形で発表されていると思います。もしかすれば、読者の皆様にも「既にある論文等のほうがより共感できる」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。・・・今一度考えてみるに、その上で私ができることと言えば、紛れもない私自身の鬱憤や怒りや戸惑いや不安や狂喜を自らの拙い言葉でつづることだと思います。そんなものでよければ、どうぞお付き合いください。
そのほか、拍手くださった皆様、本当にありがとうございました。
ではレビュー・・・というか雑感メモです。
- 作者: 真崎ひかる,竹美家らら
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2009/06/16
- メディア: 文庫
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あらすじ。
朝に夕に凪の訪れる島で、志野宮緋は穏やかに暮らしていた。ある日、男が海へと身投げするのを目撃した宮緋は、行き掛かり上助けたその男―恵まれた体躯に整った容貌、年下なのに不遜な小早川崇臣と不本意ながら生活を共にすることに。小早川独特の存在感に心乱されつつも踏み込ませないラインを頑なに守るが、執着めいた激情を向けられ……?
帯はフェア関連の広告なのでスルー。
BLレビュー。
分かりやすく年下攻めー。助けた男はテライケメンであり不遜で図々しい上に無知(布団の敷き方や風呂の炊き方等)、そして心身共に不器用な攻めに受けはイーライラ。お説教のスイッチが入ってしまいます。そのくせいるだけでオーラを放つ「(存在自体が)うるさい」男だから始末に終えない(でも時折素直w)。受けは受けで、数年間日本を離れていた時期があってブームに疎く、攻めの有名ぶりを知らなかったし、興味もあまりないようだ。そんな二人だからツンケン言い争うのだけど、それが周囲からは仲良しにさえ見えてしまうという皮肉w
お話の初め、釣りで二人は賭けをします。攻めが自分でいっぱしに魚が釣れたら「馬鹿にしてすいませんでしたって謝れ!」と、挑戦を挑みます。受けも「出来なかったら(釣りを侮ったことを)漁師さんに土下座して謝れよ!」と返す。
舞台がのどかな島なのもあって、シビアなエピソードが描かれつつ癒しな雰囲気でお話は進みます。二人はどこか幼くて現在に立ち止まっていますが、しだいに島での生活に変化が訪れます。私自身長編シリーズの箸休めとして読んだけど、読みやすかったです。アレと共通項がいくつもあるので、併せて読むと楽しいかもv
以下ネタバレ。
とりとめもなく「LIFE, LOVE」1巻を読む。
- 作者: 西田東
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2008/12/27
- メディア: コミック
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・・・ジャックは二つの目を持っていて、シリアスなシーンでは人を射る野獣のような目だけど、時折戸惑う時にはコミカルな糸目になるのね。その目が、彼の穏やかさや自信のなさを表してるように思えて、なんだか妙に惹かれちゃいましたー。
閑話休題。
まだ一巻ゆえに全体を俯瞰しての感想ではなく散文的になるのですが、読んでる内に私自身がぶち当たってしまった問題などを、とりとめなく書いてみたいと思います。
・・・本当ならあっちブログを先に更新すべきところを、大変申し訳ありません。
そして、拍手くださった方々、どうもありがとうございました。まだ見捨てられてない事に喜んでいますです。
ところで。隆裕は誘拐されてから(ジャック以外には)あえて自分が英語を話せない風に装い、相手の油断を狙っております。「なるほど私も英語圏で誘拐されたらこの手を使うべきかもしれない気をつけよう」と思ったのですが、そういえば私、元から英語話せないんでした。
- あらすじ。
「ジャック、男に抱かれていいと思ったのは、おまえが初めてだ」
海外の視察先で政治家の養父と間違われた新海隆裕は、マフィアに誘拐されてしまった! マフィアの下っ端・ジャックの部屋に監禁された隆裕は、養父の救いを待っていた。しかし、汚職事件の発覚した養父が自分を見捨てたと知り──!!? マフィア×政治家秘書、目を逸らすなスリリングラブ!
- 帯。
再開したとき二人は、狩人とその獲物だった。
西田東最新スリリングラブ!
マフィア×政治家秘書 監禁
「再開」原文ママ。
以下ネタバレ。
続きを読む2009年マイベストBLコミックスcl。
やっほう、のだだです。
今年は本当に更新しなくてごめんなさい。ずっとはてなハイクに引きこもってました。メディアマーカーも多分もう使わないです。でも一応BL読んではいたんで、今年もマイベストBLの紹介をさせてもらいまーす。
例年通りマイベストセレクションと呼ぶべき作品を発売月日順に羅列するだけの簡単なお仕事ですが、いやー、難しかった。今年って不作だと思ってたんですけど、実際には好きなものがちょっと多すぎて紹介しきれないくらい(・・・要するに自分のコンディションが悪かったみたいです)。だから詰まらない俺事情で次点にランクインされちゃった作品もかなり多くて、われながら微妙な選出結果です。
ところで、新人さんで突出した人って少なかったような。。でも今年は本間アキラさんに出会えてハッピーです。(まだ旧作一冊しか読めてないんですけど・・・泣)
何れにせよ、一部趣味丸出しな選出になったことは否めません。
それでは発表いたします♪
(一 部 ネ タ バ レ)
*―*―*―*―*
- 作者: 萌木ゆう
- 出版社/メーカー: コアマガジン
- 発売日: 2009/01/01
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- 作者: 鹿乃しうこ
- 出版社/メーカー: リブレ出版
- 発売日: 2009/02/10
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というか、彼は私の理想メガネなのだ・・・っ! 牧は普段3枚目のヘンタイ助平親父キャラなんだけど、そんな彼のせいで、今回やんちゃ受けの浩太が「なんで俺にだけ変なこと言ってからかってばかりなんだろう」と悩みます。浮気性だし。でも、彼らはどこか純情で、相手に真摯なんです。そして、ベタな悩みではあるんだけど、お馬鹿な牧の意外なナイーブさが改めて見えて、そんな牧のことを浩太は本当に大事に想ってるんだなってのが伝わります。
「捨てられるのは俺のほうだ、いつでも」「二度と嘘はつくな、つかないでくれ」
という、普段バカップルの二人には不似合いなシリアスさが非情にやるせない。
浩太の初めての男エピソードもやるせないです。お姉ちゃんの彼氏を好きになる浩太。「不思議とエッチな事をしたとは思わなかった 飯を食うのと同じくらい大切な事 大事な人」。だけれど、結ばれることはなかった人。浩太という人間にとって捨てがたい思い出の一部なんだなぁ。
浩太は牧に「ひどい目に遭っても恋愛をしたいと思えたのは、その人のおかげだ」と告白してるけど、攻めと受けの関係がこの告白によってかえって重厚に感じられました。正にひとりの人生がそこにあって、だから今の恋があるっていう。
・・・そんな感動的なお話なのに、相変わらず間の抜けたオチを付ける牧・・・。・・・もう。・・・好き。
- 作者: SHOOWA
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2009/02/28
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そういえばこの作品でマカロンが好きになりました。
- 作者: 富士山ひょうた
- 出版社/メーカー: フロンティアワークス
- 発売日: 2009/03/21
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- 作者: ルネッサンス吉田
- 出版社/メーカー: 茜新社
- 発売日: 2009/03/27
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何はともあれ、学校の便所に順番待ちの列を作って男共にいたされるシチュは、私的ツボでした。あまりにビッチ。あまりにメンヘラ。あまりに情熱的。あまりに痛すぎ。眩暈がするほどのクレイジーさ。
結局深沢は開高先輩に捨てられるのだけど、同級生・埴谷との接合が好き。相手から「好きだ」と受け入れられた途端に萎えてしまう埴谷の気持ちにシンクロ(そんな自分の不甲斐なさを今更後悔する彼)。友情恋愛の区別がつかない深沢の気持ちにシンクロ(そんな自分を持て余してる様子の彼)。
難解に描かれているけれど、しかし最後まで読むと彼らの生き方はシンプルだったように思います。
テレビくんの気持ち (バーズコミックス ルチルコレクション)
- 作者: 松本ミーコハウス
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2009/04/24
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いわゆる元ヤンのコンビニ店長(20)と本社から指導に来た真面目くん(25)のお話がイイ。セックスの悩みって色んな理由で言いづらいと思うのだけど、一緒に泣いてくれた攻めがよかったです。人によっては「些細なことだし気にすることないよ〜」って善意で慰めてくれるんだろうケド、それを一緒になって胸を痛めてくれる人がいるのは、すごく嬉しいことだと思うから。
描き下ろしの、カプ未満の何でもないお話も思いのほか心がホコホコしましたー。
- 作者: 秋山こいと
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2009/06/24
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秋山こいとさんのフェミニンな受けは人によっちゃ地雷だろうし、実際「異性愛もどき」なカップルが多いと思います。でも、私はそういうのが好きみたいです・・・!!一話目の黒髪短髪ガタイ兄貴が言う「抱いてやるから来な」という尊大な台詞は、キンモー。だけど悔しいがセクスー。2ndカプは珍しくどちらも成人男性っぽいビジュアル。一番萌えやすいカプかもー。駆け引きする二人の雰囲気がムーディ〜(けどホノボノ〜)。長髪兄さん(攻め)が好きな人のベッドでマスターベーションするのが、これまたセクスー。どのカップルもすごくお似合いで和みますvvv
唯一表題作が呪われた運命の絆(モノガマス)を志向しており、少し不穏なハッピーエンドだったけれど、ある意味最も王道。
- 作者: 倫敦巴里子
- 出版社/メーカー: 海王社
- 発売日: 2009/10/10
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表題作とその次の話は猫が人間になってご主人様と添い遂げるお話。ただし、最初好きになった人間だけには猫のまま見えてしまうし、相手から必要とされなければ完璧な人間になれない、という設定。
ここで面白いのは、攻め(人間)の同回生らが「なあなあ知ってるか、法権の講師って同性愛者でネコらしいぞ」と噂してると、受け(猫)は、「ネコ」を「猫」だと勘違いして「えっ、僕以外にも猫が?!」と口走ってしまうところ。もちろん攻めは受けの言葉が「にゃーにゃー」としか聞こえないので、彼らの間でどんな誤解が生じてるか気づきません。そんな状態で話がどんどん進み、「やっぱり人間にとって僕ら猫は気持ち悪いですか?(ウルウル)」「い、いや!俺たち同性愛に偏見ないから!(キュン)」という展開。
その後も似たエピソードがあって、勝手に『同性愛』について右往左往するストレートたちの様が楽しくて。彼ら自身の抱える規範(によるパニック)が完全に“外側”に描かれ、客観的に観察できる構成なのがとても面白いです。
「キスは人間にとっては単純なものではない、猫のお前には分からない」という攻めに対して「確かに僕は猫でしたが、勉強と同じで教えてもらえばいい、なぜ最初から分からないで終わらせるのか」と応えてるのもイイ。
他の作品。完璧なエリート街道まっしぐらの先輩攻めが、後輩受けを教室で押し倒してる様を教師に見られ、とっさに誤魔化した過去について、「正しい軌道修正」とは言わず「だけどお前を手に入れることこそが完璧な人生だと気づいた」と言って、誤魔化した事実を悔いてるのが良かったです。
ただ、その次のお話がちょっと引っかかる。美人受けが平凡な顔立ちのオタク攻めに一目惚れし「格好いいからって調子付くなよ!(テレテレ><)」してるのは楽しかったのだけど、オタク攻めが「ユークリッド幾何学では平行線と平行線は交わらないとされるけど、非ユークリッド幾何学だとそう言いきれない。男と男はユークリッド幾何学だと思ってたんだけど」と語るのです。これは攻めの異性愛者視点を無条件的に標準値にして、それ以外の現象を「イレギュラー」として扱う従来の異性愛社会を反復してるように思えて、そこは少し残念でした。
最後は義兄弟モノ。二人は周囲から見て引かれるほど仲が良い。兄弟愛として仲良くするつもりだった兄だが、弟に甘えられるとセックスも・・・というお話。「兄を抱け!」にワロタw 兄弟愛を体よく利用する策略家・弟攻めがステキでしたー。
- 作者: ルネッサンス吉田
- 出版社/メーカー: 茜新社
- 発売日: 2009/11/27
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1stと違って短編集で、非BL作品も含まれます。舞台がまたもや売春店だったり、小説家漫画家(アマプロ)のお話がいくつもあったり、テーマ性が一貫しています。なるほどこれは著者の私小説だな、と。そして今度はエセインテリな自分を切開したり、はたまた人の感情が分からない自分を切開したり、「ミゼラぶ」って閉じこもる自分を切開したり、他人とうまく折り合えない自分を切開したり、ああ、大忙し。ひたすら自己切開。しかし読者である私は、そんな彼らから問われ続けているように錯覚するんです。
ただ、叫ぶ。切開する痛みに阿鼻叫喚。半狂乱になりながらどこまでも失敗し続ける、しかし何かを捨てきれない落伍者による人生賛歌。などと書けばありきたりな紹介になるんですけれど・・・。
*―*―*―*―*
さて、こんなもんです今年は。
・・・どうも私は可愛らしいカップルの誠実な絆を描いた優しい世界観が好きみたいです。恋愛くらい、他人に迷惑をかけないでこなしたいものだわね。
無理か。
あまりにもあまりにも遅い拍手お返事。
明日はなんとかマイベストBLを選出したいと思いますが、その前に遅れていたお返事だけはしておこうとおもい、更新します。
では、早速。
今回からは名前を少し伏せさせてもらいますね。念為。
5月16日に拍手くださった方へ。
とりあえずポチっとしてくださってありがとうございましたー。更新しなさ杉なので言いづらいですが、どんどんポチポチしてください。
それでは。
5月17日に拍手くださった方へ。
以前にも粘着してくださった方ですよね?わざわざ拍手コメントにありがとうございます(皮肉です)。
さて、『クィアの尊厳』についてお返事します。
この問題は、正にあなたが仰る「マイノリティがマイノリティである限り尊厳などなくても仕方ない」といった思想に抗う必要があります。それは単なる差別迎合スタイルでしかありません。しかも格好よくないです。はっきり言ってダサいです。つまらないし。
クィアが自分の価値を見出せず、孤立したり、自責したりする社会は、本当に間違ってるとおもいます。そんな不当な扱いは必要ないじゃないですか。なのになんで「仕方ない」で済ませちゃうんですか?私自身も子供の頃から「仕方ない」で立ち止まり続けました。でも、もうイヤなんです。自分を恥じるだけの生き方は。殻にこもり自虐に浸ることで私は、私だけじゃない多くの人を貶め、また貶める価値観に沈黙をもって肯定し続けちゃいました。しかしどうしてもそんな自分でいいとは思えないんです。私には幸い抗う余力もありますしね。
そして、あなたは「BLは基本女性のものだからゲイが望むものを見出そうとしても無駄。ゲイコミでも読んでろ」と仰いますが、マイノリティの尊厳とはかれら自身の空間だけで共有すればいいものではないし、そもそも社会全体で貶められてるのだから自分たちの空間だけじゃ解決は不可能であり、不十分なのです。まず、マジョリティのあり方が当然視され、それゆえにマイノリティの存在を貶める価値観を疑わなければなりません。その価値観とは、BLゲイカルチャ含む、あまねくこの社会で規範化されたものです。その意味に限って言えば、「BL」「ゲイコミ」等々の違いはないし、あえて分ける必要もないでしょう(もっとも私はBLが関心領域なので話題がBL中心になりますが)。
たとえば「ひそやかに恋愛が出来ればいい」「殺されないだけマシ」と言う人もいるだろうけど、尊厳についても解決しなければマイノリティが抱える問題をきちっとフォローできません。というか、尊厳が奪われることと人権などを侵害されることも当然繋がっています。多くの人が尊厳を持てず、それゆえ何かしらのトラブルを抱えても言い出せずに深刻化させてしまう実態が多々あります(一部BLも正にその現実を描いています)。そしてあなたがこんな私にイラつこうが、消えて亡くなって欲しかろうが、私にはそういう戦い方が必要なんです。私は私の尊厳を守りたいだけです。
で、いい加減『ここはゲイの場所じゃないのだから関係ない』的な冷笑には飽き飽きしているのですが、まず、その<女性による女性向けのBL>と<ゲイが求めるもの>をどうして切り離せるのでしょうか?そりゃ突き詰めていけば相対的な違いはありそうなものだけれど・・・。というか、その「女性」が求めてるものだって多様なんだし、あなたひとりが勝手にBLの幅を決めるのはやめてください。
基本BLが主に女性の文化だというのは分かります。私は社会的には男性ですが、BLを「男性の文化でもある」と主張することにはためらいがあります。そう言い切ることで、『文化』という領域そのものを、男性中心的に据え置いてきた歴史をなぞる危険に注意すべきです。実際BLの表現性を見ていくと、たしかに女性ジェンダーに深く関わる部分が垣間見えることもあります。ジャンル自体が女性たちの手の元築かれ、守られてきたものだし、リスペクトすべきだとも思います。もちろん表現の背景がどうあるにせよ、テキストに描かれた表象が特定読者の共感を寄せる事もあるし、実際誰かの経験を描いてるのですから、我が事として捉える道理があるはずです。それらに私たちの繋がりがあるのですから、無視することは出来ないと思います。
あ、あと。私は今のところ「ゲイ」ではなさそうです。どうでもいいですが。
それでは。
8月1日に拍手くださったMさんへ。
ありがとうございます。私もすごく同じ違和感があって、「たしかに厳密に分けるのも危険なんだけど!だからって無条件に同じ扱いして大丈夫でもなさそうだし!」と思えて仕方がありません。この件は本当の本当に、数日後あっちブログで書きたいと思っています。『分けられるかどうか』ではなく、『分けられないとしてもソレをどう語るべきか』、という問題提起にして書きたいです。そのため、Mさんが紹介くださったブログも参考にさせてもらおうと思います。
それでは。
他にも拍手くださった皆様、本当にありがとうございました!遅れて本当にごめんなさい。明日も宜しくです。
「イインチョと俺!俺!!」を読みましたよ。
今日も男扱いされて
気がメイル(male)ぞう。
・・・ノダダの精一杯の駄洒落です。みなさま、拍手ありがとうございましたー^^!
そしてジョー太郎先生!!今日ちょっと引用めいたことをさせて頂こうと思ってた矢先のタイムリーな出現に感動ちびりまくりデアリマス!
というか先生、過去ログを読み返すとか、このブログで一番やってはいけないことデアリマス!!駄文読まれて恥死率500%デアリマス。。。
そういやこの所更新してませんでした。あっちブログで騒いだり、怖い(らしい)動画を漁って3度見たら死ぬはずの絵画を7度くらい見たり、半生で油臭いドーナツ作ってしまったり、残念な人生の方は俄然更新中なのですが・・・。
そんな中今日はホラーDV物語をご紹介(はぁと)
- 作者: みろくことこ
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2009/04/30
- メディア: コミック
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- あらすじ。
俺のイインチョは、脱いだらすっごいエッチvなんだからっ!
クラス一のモテ系男子・芳野くんは、マジメっ子メガネの強気なイインチョにベタ惚れ片思い♡
イインチョを身体検査してサイコーに感じるトコを開発したい♡ と毎日妄想特急暴走中です!
そんな芳野くんをしつけたいイイチョがちらつかせたご褒美は……!?
モテ系男子×メガネっこ委員長のエッチなラブトレーニングvスタート!!
- 帯。
俺のイインチョは、脱いだらすっごいエッチ♡なんだからっ!
モテ系男子・芳野くんに、マジメっ子メガネのイインチョがちらつかせた、エッチ♥でビッチなごほうびとは・・・・・・!?
みろくことこ史上No.1エッチでキュートなラブ♥トレーニング♥
BLレビュー。
試し読みすれば大体の色は分かるかと。
http://www.shinshokan.com/comic/tameshiyomi/090428d_iincho/index.html
今日はネタバレとか気にしないよ。
しかし、油断してたら本当にエロ濃かった久方ぶりのみろくことこ・・・。まあ受けのビジュアルとかはいつも通りだったけど。
興奮してヨダレたらしたり強姦中に萌えツボ刺激されてクネクネ悶えたり、ドリーマーな変態っぽさが味わい深いのだけど、何かひっかかるモノを感じる・・・。
と思っていたらジョー太郎さんが偶然書いていた文章を読んでピンときた。
そう、この攻めって受けの事を尊敬してないの。それは相手を男性として自分より下位と見なす行為にも繋がっていた気がする。(もっとも『男のプライド』なんてチリ紙程度にしか思えんからオカマの自分的に痛くも痒くもないんだが)(むしろ世の『男のプライド』とやらをへし折ってやりたい鬼畜☆眼鏡っ子なワケだが)(ちょっぴり本音)(爆)
その意味で彼は攻めとしての男らしさに欠けていたと思うんです。簡単に言うと、そんな攻めは攻めと呼ぶのも勿体無いっつーことです。
いや、一応頑張って攻め様になろうという片りんはうかがえるのね。
ある日、めずらしくおびえていない素直なイインチョと「お互いやる気」でエッチ出来たのだが(てそれもどうなのよ)、実は夢だった。そこで便宜上の攻めたんは、夢のイインチョと浮気した心地がしてバツが悪いので、ばっさり髪を切ったのでした・・・。・・・。
・・・髪を、切った?
・・・ん?それが何?
イインチョイインチョ言いながらちゃんと受けの名前を知っていた?それどころか食べ物の好みもリサーチ済み?
・・・だから?
ていうか、髪切るのも「いきなりペニスは抵抗あるだろうからイインチョを気遣ってオモチャを使」ったのも、全部自己満足で相手の意思はガン無視じゃん。
それ以前にも、「変なことしないなら仲良くしていい」「(変なことの定義が分からないなら)僕がイヤな時は『おすわり』って合図するから、言うこと聞いて?」と警告されていたにもかかわらず、「イインチョが好きで他の事考えられないままこれ以上ひとりエッチしてられない」という身勝手な理由で約束を反故にして、嫌がるイインチョをまたもや強姦している。・・・言う事聞けなくてバカすぎる。
これって『ワンコと飼い主』っつー設定が活かせてないって意味で、萌え的にも減点になりそうな気もするんだが、どうなんだろう?
それに受けも受けだ。好き放題のこんな奴に何気配りしてんの。そのバカワンコ躾けるんじゃなかったの?「けっきょく言う事聞いてしまったのは僕の方なんだし」「こんな毎度やんちゃを許してたらホントに恋人みたいじゃないか」ってオイオイ既成事実作られて着々と外堀埋められてるんじゃないか。大丈夫かあんたのディフェンス力。
・・・とは言え、彼(便宜上攻め)ってば一応モテ系らしいのよ。運動神経とビジュアル面でね。そりゃサッカーユニフォーム着たイケメン男子高校生とヤレるんだったらある程度目つぶるものかもしれないケド、私だったらはっきり言ってこんな奴恋人にはしたくないわよという・・・。
んで極め付けがコレ。
「体は俺のことダイスキだって言ってるのにねー ねーえ貴弥 キモチいーのは俺のことスキだから そう思ったほうが楽になるよ? じゃないと貴弥はぁ キライな男にムリヤリえっちされてーヨロコブへんたいさんになっちゃうでしょ? 」
「ち ちが ちが・・・っ」
「だよねー 貴弥は俺のことがすき そうだよね?ねぇ・・・・・・・そうでしょ?そうだって言えよ」
今までずっと こんな目を してたのか
――見ないフリ してたな・・・・・・・
これにはさすがに受け自身も「ずるい」と思ってるみたいだけど、けっきょく過度な愛情として受け入れられている様子。
でもこれかなり脅迫的だよね?
レイプの何が怖いって色々怖い訳だけど、快感を無理強いされる恐怖ってあるはず。すると被害者は自分を責めるかもしれない。そんな被害者に悪魔的な二者選択を迫ることがどれほど判断にバイアスを与えるか、攻めはひとつも考えてない。
しかし受けは恋人になることを選ぶのだ。確かに攻めを好きなんだろう。だけどこれってもはや「本当に好きなのか?」と疑心暗鬼に陥いってしまうホラー的内容だ・・・。
nodada's eye.
今日は拍手レスのみです・・・。
また更新できてません。書く気もおきません。そんなあたしにも拍手を下さる方がいらっしゃいます。ありがたいことです。…と、とにかく、遅れてしまった拍手レスをば。
- 4月5日に拍手くださった方へ。
拍手ありがとうございます!お返事大変遅れてすいません…。
ていうか、…本当ですか?ネトゲってジェンダーブラインドな社会なのでしょうか。わっふわっふ♪クィアですなぁ。私はネトゲにはまれなかった人生の落伍者なので知りませんでしたー。
ところで、あの『素顔の君をあいしてる』なんですが。確かに性別関係ない!て話だったんだけど、そうなると最初の性別重視な受けのこだわりは、一体なんだったのでしょうね。性別ではなく性格が重要だった、らしいのに最後には「好きに理由がない」にかわりましたよね。それが「最強の愛」として意味づけられると言う、アクロバティック過ぎて論理展開がさっぱり分からない内容が若干引っかかりました。そこらへん書けたら良かったんだけど、またいつか気が向いた時にします…。すいません、皆様。
それでは!
- 4月7日に拍手くださった方へ。
こちらこそお久しぶりですー。拍手とスターありがとうございます!もう日本に帰られたのでしょうか、ご苦労様です。ちょっと以前にスター頂いた時なんか、わーいやっとのご生還だ〜とわっふわっふ♪したものです。そしてグループ日記のほう早速アンテナ入りさせていただきました^^
ただ、グループ日記なるものの正体がイマイチ分からなくて、「これって実はりょうたさんの知り合いだけしか見られない日記なのかしら」「というか、グループだから何か合同で書くものなのかしら」と混乱しちゃいました。でも、興味深く読ませていただいております。ブクマついた記事とかも。これでめでたくりょうたさんもノンケの仲間入りですね!(笑)
それはさておき。5日の『純情3』レビューは結構私の機軸たる内容というか、そこそこ頑張って書いたので、りょうたさんに喜んでもらえてよかったです。
確かにどんな言葉で届けるか難しい話ですが、マジョリティには当り前に守られてる尊厳がない状態の実感を、ひとつひとつ語るべきなのかもしれません。誰しもそういう一面を持ってるので、語ることで少しでも非対称性な尊厳に対する問題意識を共有できるかもしれません…。なんにせよこの社会は、目に見える差別だけしか取り合わず、尊厳がないことの重圧を軽視してるように思えてならないので、今後もこのテーマでくどくど書いていきたいです。よろしくデス。
それでは!
拍手だけの方も、ありがとうございました!
えーと、あとで何か書くかなぁ。書かないかもなぁ。
あ!BL漫画(コミック)、小説レビューサイト【ちるちる】さんのところでリンク貼ってもらいましたー。一応漫画中心で濃ゆいレビューしていきます。それでは。
あと、本当読む新刊がないんですが、タクミユウさんの『恋って いうのは』って買っても損しませんか?2ndコミックスまでは買ってたんですけど、、、ちょっと微妙で。節約中なので悩みます…。
「純情」3巻を読んで思うこと。
すいません、前の記事はやはり後回しで昨日やっと読めた『純情』シリーズ最終巻について雑感を書きます。
- 作者: 富士山ひょうた
- 出版社/メーカー: フロンティアワークス
- 発売日: 2009/03/01
- メディア: コミック
- クリック: 1回
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- あらすじ。
高校時代の初恋の相手・倉田と偶然再会したライターの戸崎は、当時の想いを暴かれ、身体を重ねるようになる。再び倉田を好きになった戸崎に、倉田も本気を自覚し、ついに両想いに。だがある日、玄関先でキスしていたところを倉田の母親に見られてしまう。関係を知られてしまった二人は、改めて自分たちの関係や立場の違いについて考え――。大人気作品、いよいよ完結!
- 帯。
小冊子付き限定版!!
描き下ろしカラー表紙にその後の描き下ろし漫画26pの豪華版!
あと、今回5月に発売されるドラマCD企画の広告もあったんです。・・・でもね、通販購入者限定でCDに特典小冊子つけるのは理解できるとして、さらにCD購入者限定に別の小冊子応募権を与えるっていう商法はさすがにどうなの。どうせ薄っぺらい小冊子なのに、それこそコミックス一冊以上買えるぞ。
BLレビュー。
http://www.fwinc.jp/daria/manga/test.php?copy=&url=978-4-86134-324-7でも分かるように、ようやく告白した二人は甘々に。そして、デートレイプしたりと好き勝手だったあの倉田将成(しょうせい)が、真摯な攻めたんに成長を遂げて感慨深いw CD特典では「倉田のスペシャルカード」なるものが作られたり、いやぁ、出世したものです。
彼は基本的にガキなんですよね、いちばん。そのくせ格好付けしいで、受けに振り向いてもらおうと右往左往する様が可愛らしいv
そして異様にモテて流されガチに見えるけれど、ここ一番では芯の通った受け・戸崎圭祐も好印象。
今までじょじょに距離を縮めてきた二人は、関係が波立つ度にお互いの信頼を深めてきました。そして今回打ち出されたのは、「何事も当事者間で話し合うことが何より重要」というテーマでしょう。それこそが、二人に向けられた異性愛同調圧力及び同性愛差別のカウンターとして機能していたようです。
最終巻の今回が正念場で、二人は繰り返されるヘテロセクシズムに比較的善処してくれたと思います。ただ、ホモフォビアを焦点化させたまでは良かったのだけど、普遍的テーマ↑を打ち出す事でせっかくの異性愛規範に対する批判性が弱まっているように思えます。
・・・私はBLの表象においても『クィアの尊厳』が守られているかを重視します。しかし、BLによくある「障壁はあるけど愛してるんだ」系の物語は、「二人の愛情」は守っても、ほとんど『クィアの尊厳』は守ろうともしない。とまれ、それは無理からぬことか。だって、異性愛社会に包囲され異性愛規範を内面化してる以上、なかなかできないことだもの。
『クィアの尊厳』を取り戻すためには、クィアを否定する異性愛(だけじゃないんだけどこの場合は主に異性愛)の社会構造ーーマジョリティが当り前だと思ってる日常ーーを疑い、時には土台を壊さなければならない。「同性と付き合うなんてほめられたものではないし、不幸になるよ」と言われて「確かに苦労もあるしほめられたものではない“けれど”それ以上に愛してるんだ!」という肯定法は普遍的な<愛>こそ肯定するが、異性愛規範による恣意的な正しさを疑わず、やがてクィアを貶める価値観に取り込まれてゆく・・・。それが私には歯がゆいのだ・・・。
その点でこの作品は、かすかな希望を見出してくれる稀な物語であったけれど、やはり規範破壊性に欠けていたのではないか・・・?
以下ネタバレ。