ちょっとはツキが回ってきたかな。

最近アタリが激しくなかったので、レビューしようと思って読んでも、そのたびイキ消沈してたのですが、昨日辺りからそこそこ面白い新刊が読めるようになってきますた。

この世 異聞 其ノ弐 (ビーボーイコミックス)

この世 異聞 其ノ弐 (ビーボーイコミックス)

(おい、画像。
ホモエロが楽しめました。
あらすじ。

山根昭雄の不治の病を救ったのが、祟られたこの家系を代々護ってきた人外のセツ。人間と獣人という相容れない二人の間に、愛にも似た絆が芽生え始めていたが…!?
優しい獣人、セツの過去「異視 見聞録」を収録した、大人気シリーズ第二段!!

正直言うと、この方の作品ってどれもなんかつまらないなぁと思ってて、この作品の第一巻目も「えっ、なんて中途半端な!」と思ってたんですが、これはけっこう面白かった。

BLレビュー。

えーと、昭雄の家系はね、代々祟られてて、不治の病にかかって苦しんできたんですね。で、一族で一人残された昭雄が、セツによって命を救われたのね。そしてその後、昭雄は、(願いを叶え加護する、という契約を交わしている)セツに、「そばにいてほしい」と願った、というのが一巻の内容。
第二巻では、セツの過去編が二つあってですね。そこで、彼の人外たるその本性、そして一族との係わり合いが明らかにされます。そして、大事な萌え要素は、その過去と現代がパラレルな形で結びつき(祟られた一族を、契約により代々加護する人外)、さり気なく“時空を越えた”関係性を提示しているところなのです。主人公以外のキャラクタにもその匂いがほわんと香っていて(キャラクタの特徴がなぜか似ている!)、過去の絆と現在の絆を、リンクさせているのですね。

(腐に限らず)オタクからするとさ、一つの作品の「リンク作」とかって、なんか買いたくなりませんか。
clampなんかそういうリンクの代表だけど、こういう「昔と今は何かで繋がっている」ていう形の「リンク」も何気ツボになると思うんですよね。
そして今回のは、(リンク作って意味じゃないけど)過去編と現在編でのリンクが美味しかったです。他のジャンルだとそういうのも多いのかもしれませんが、案外少ないんですよねぇ、BLでは。(まあ『ミラージュ』とかもあるけど。
で、そういう「リンク」されることによる、ただならぬ絆っぽさを読める快感があったのが、よかったなぁと思いました。
そして、こういう作品って長く続けば続くほど味わいが深まると思うので、第二巻の方が面白かったていうのもある。
お兄ちゃんキャラもいるし、癒し系おやじもいるし、割と萌え要素ちりばめられてるんですよね。もし次回があるんなら、またキャラクタを増やしていって味わい深くしていってほしいなぁ。


以下ネタバレ。

nodadas eye

この作品の世界観が美味しかった、というのがポイントだったと思います。本作はプチファンタジー(現実が舞台の幻想)なのですが、そういう作品では特殊設定を現実生活の中でいかにいじくるかが重要(次回もっといじってほしいです)。で、そのプチファンタジーにはつき物の言葉。

…あ
「終わりが見えねえうちはいいけどな」
それ 聞きたくなかった

魔法モノとかでも、その非現実的な物語が終わる予兆というものがやっぱりあって。
これにより攻めと受けの愛も途切れるはずなんだけど(魔法モノだと「夢」が途切れる)。けれど、これはBLなので、攻めと受けの“破壊的な”愛がそこらへんの法則をねじれさせる。だから、ホモエロも腐な萌えもちゃんと美味しく頂けるんですよv

で、そこで彼らにとってキーになるのが、セツ(攻め)の誓いと昭雄(受け)の願いのズレだと思うんだけど。セツはソレに対してこう言う。

「いいじゃねえか これはこれで」
[…]
「難しいことなんざその時々に考えて悩んでやりゃあいいんじゃねえか?」
[…]
「生きてりゃ大体が そうやっていきあたりばったりだろ」

同感ー。物語りの設定上、彼らの愛を持続させるのには問題があるんですが、大体はそんな感じでいいんじゃないでしょーかー。(しかもそれが、−子孫を残す−という『生産性』とも関わってくるのが、私的に面白かったv)
あんまり頭でっかちに考えるより、直情型のBLの方が面白いしね。


それと、面白いのは、この獣人のセツのキャラクタ性というか、体なんですよね。体の奥を直接手でまさぐれる能力もすごいけど、犬っぽさもすごくて、エロかった。
彼には複雑な本性があるんですが、彼の獣の部分と人間の部分との融合が素敵でした。
顔だけ人になる、とか!
でね!すごかったのが挿入シーン。(卑猥なので気をつけて↓)

「……本ット悪…… コレ 人型してねえわ」
え?
「これさァ 犬と同じで抜けねえんだよな… な 根元膨らんでるだろ」
「え えっ ちょ」
「萎えさせて悪ィな でもすぐに悦くなるぜ やるこた同じだし」
「ぬ 抜いっ…」
「だァから抜けねえの あーーイイわ…」

とまあ、ペニスが犬化しております。すごく変態です!わ〜、素敵ー!!こういう身体の変態性が面白かったです。

あと、受けが大事なシーンで「うんこ!」て言ってたのが受けた。攻めもセックスシーンに身も蓋もない一言もらすのも好きー。