あれもBL、これもBL。

私はやおい属性ではなく、BL商業誌属性なのですが。商業誌の中でも色んな作風ございます。そんな中、これってBLって呼んでいいの?ていう評判がつけられることもしばしば。しかし、それに関しても私は答えはないと思うのです。
一言で言えば、BLかどうかは、「あなたがBLだと思うものがBL」なのです。俗に言う【あ(ry】です。

ラ板の定義。「あなたがそうだと思うものがライトノベルです。
ただし、他人の同意を得られるとは限りません」が元。
ライトノベル定義を語りだすと即返ってくるお約束。
色々便利な言葉なので他の板でも時々見かける。

http://guideline.livedoor.biz/archives/50857743.html

この世の果てには様々なBLという狂気が乱舞しているわけですよ、奥さん。今回は紹介だけさせていただきますよ。腐腐腐。決して手抜きじゃないよ。のだだ嘘つかない。

SEX PISTOLS 5 (スーパービーボーイコミックス)

SEX PISTOLS 5 (スーパービーボーイコミックス)

(なぜか5巻しか出ない)
これはBLスキーなら皆様ご存知のはず。多分。皆様大好きセクピ☆私も大好き、モンプチc
まずは話の内容を、一巻のあらすじでマルッと紹介。

「俺がお前を孕ませる」…ノリ夫は突然、普通の高校生から「斑類」に目覚めてしまった! そして出会ったのは傲慢きわまりない野獣系の男・斑目国政。
出会ったその日にガンシャされ…。
動物の魂を持って生まれてくる「斑類」って一体なんなの!?
繁殖を志す、サイエンス・ラブ・フィクション

語尾にはハートマークv斑類は「まだらるい」と読む。ノリ夫はある日を境に人が動物に見えるようになってしまった。傲慢な攻め国政から「お前は『先祖返り』だ」と宣告され、自分が猿人(人類の多数派)ではなく斑類であったことを知る。そして、貴重な先祖返りのノリ夫は斑類のワールドへ〜みたいな話。
ではこの本のプチファンタジーな設定を、本文から引用。

*まだらるいの進化となかま分けのおはなし*
ほ乳類はいくつかのグループに分けることができます。それを「目」といいます。
目は、さらに「科」というグループに分けられます。
人類は「霊長類」の「ヒト科」となります。
霊長類は「サル目」ともよばれます。
わたしたちの先祖は大むかしサルからヒトへと進化してきたと考えられているのです。

ヒトは、さらに人類(じんるい)と
斑類(まだらるい)に分けることができます。
わたしたちの先祖がサルからヒトへと進化するとちゅうDNAの中でべつのほ乳類やは虫類の遺伝子が「斑覚醒」したまま進化したヒト科を斑類というのです。

*なかまをおぼえよう*
人類猿人  斑類猫又 犬神人 熊樫 蛟 蛇の目 人魚 
注意!
猿人は斑類を見分ける能力がありません。
ですから、猿人にとってほかのヒト科の人々は猿人に見えているのです。
ですが、猿人は斑類と違ってすばらし能力があります。
たくさんの強い子供を作ることができるのです。
「ヒト」は、それぞれいろいろな素晴らしい能力をもっているのです。
「みんな、おなじニンゲンだからなかよくしましょう!」

さらに魂現(魂元)という設定もある。

斑類(まだらるい)
人間の先祖が猿からヒトへと進化した過程において、DNAの中で、猿以外のホ乳類・ハ虫類の特徴を強く残したまま進化した人類のこと。
それぞれの動物の特徴を受け継いでおり「動物の遺伝子が斑(まだら)に覚醒している」ことから斑類と呼ばれている。

魂現(魂元)
ヒトがそれぞれに持つ動物の魂を「魂元」と言う(一般的に「魂現」と表記される場合も多い)。
また、魂元が放出され、身体の外側に動物形が現われる様子のことを「魂現」と呼ぶ。
斑類と猿人の違い
斑類ではないヒトを斑類は「猿人」と呼ぶ。「猿人」は「魂現」を認識できない。従って「斑類」の存在を知らない。
そして次に大きな違いは、猿人に比べ、斑類の生殖能力は非常に低いということ。

人類猿人
見ザル 魂が見えない
聞かザル 魂の声が聞こえない
言わザル 魂と話せない

と云う設定なんだけど・・・、わかった?
うん、わかったよね、そうだよね。うんきっとそう。
要は、この世界には実は斑類と云う猿からの進化系とは別の人類も存在していて、しかし猿人はそれを認識する能力が一切ないため、猿人とは別のコミュニティで斑類と云う人類が世界で共存しているということ。
中には先祖返りで魂がいきなり見えて相手の魂元が見えて(たとえば相手が猿に見えたり熊に見えたり)パニックを起こす。そういうときには、ちゃんと斑類の公共機関が社会に適応できるように対処する。
病院なども、斑類特有の病気の表れ方などもあるので、斑類科の診療ができるようになっている。ただし多くの猿人はそのことに気づかない。

で、この話のBL的特徴としては、セックスによる妊娠が出来る事。
女×女のゲイカップルや男×男のゲイカップルで子供を作る事ができるという設定。(男と女の組み合わせも可)
そういう、「男同士には妊娠て言うリアルな部分がないからいいのよ!(妊娠だけがリアルじゃないけどね)」というような一部の腐からは嫌われそうな設定だが、この作品の人気は根強いものがある。


妊娠ができる。
そういう設定が、BLとして「なし」と見るかどうかは、その読み手の感性に委ねられ、そして実際受け入れられているのが現状だ。
それなら、「これはBLだ」。
誰かにとって、「妊娠とかのリアルな悩みを書かなくて済む性的なお話がBLなんだから、こんなのBLじゃない!」と言ったとしても、事実BLとして消費している人が居るのであれば、結局は「客観的に」BLである、としか言えないわけだ。ただそれだけのこと。


僕こそ君のすべて (SANWA COMICS No. 68)

僕こそ君のすべて (SANWA COMICS No. 68)

まあ、男も女も喰いまくる。と云う話らしい。
6話中、4話がLC(レディコミらしい)に掲載された、男の絡みがほとんどないBL。
あとに一話はBL商業誌「麗人」で掲載されたもの。あと書き下ろし。
えー、7割がヘテロモノ。
・・・いえ、私はそれでもこれが「BLなんかじゃない!」などとは申しませんよ。確かにBLレーベルからの出版物ですし、BL作品も確かにあるにはある。

私の基準を先に言わせて貰うと、
BLとは商業誌の男の恋愛(なんらかの関係)模様を描いた作品。
やおいとは主に同人誌などの二次創作(パロディ作品)の男の恋愛(なんらかの関係)模様を描いた作品。
という基準なのです。
さらに言うと。私はBLレーベルで出たのであればBL。と単純に考えます。勿論まったく男が出てこなかったら殺しますけどそれは論外ね。
だから、いくらやおい臭くてもBL臭くても、BLレーベルでなければ、「まあ、少女(或いは少年等)コミックスの出版物なら少女コミックなんじゃない?」て程度にしか考えません。だって、BL臭いかどうかでBLかどうか決まるという客観的視座は在り得ないし、なにがBLらしいと感じるかは個々人の感性によるもの。
だから、私はこれをBLと呼びます。BLレーベルで出てるし、私の中の条件は当てはまってるし。
けど、こういう売り出し方をしやがることは、基本的にひとりの腐として「ふざけんな」と思うけど。いくらなんでも売れるだろうからってほぼヘテロを載せた作品を、ほとんどなんの注釈もなしに「BLとして」売り出すなよ。
誰が好き好んでヘテロ読みたくてBL買うんだよ。


Love song (バンブー・コミックス 麗人セレクション)

Love song (バンブー・コミックス 麗人セレクション)

ただ・・・、こういうのはいかがなものだろうか、
最初の話が「俺ね 性同一性障害ってビョーキなんだけどよろしくね」と言う人が出てくる。そしてその同級生との話。

治るわけないじゃない 生まれつきなのよ心は女なの 体だけ間違って生まれてきちゃったって病気なんだから 

日傘にスカートを履いた刀根が、同級生の波広と通り過ぎる。
最後、高校を卒業したら女になると告白する。そして、その前に自分の処女を貰ってほしいという。


私はこれ、BLかどうかを個々人の感性で決める、という範疇のことだとかどうかわからない。先に言ったことを踏まえるなら、「性同一性障害の少年(←?)であっても男と男ならBL」と云う人が言えば、少なくともその人にとってはそれはBLなんだろう。
しかし、これを見て、性同一性障害の当事者は、この描き方に対してどう思うだろうか?
そういうところに思い当たり、複雑な心境にさせられた。