ガテンがいいんだろう?

4畳半sweet home (スーパービーボーイコミックス)

4畳半sweet home (スーパービーボーイコミックス)

あらすじ。

借金背負って4畳半で貧乏暮らしのみづほは、ある日同じ工事現場で働くヤエさんに“つまみ食い”されてしまう!! ワイルドで強引なガテン男ヤエさんだが、それは世間をあざむく仮の姿。ヤエさんのホントのお仕事って・・・!? 現場で出会った2人のガチンコ・ラブ、あつい書き下ろしもアリ!!

ちなみにバイキングモノのストーリーもありました。

BLレビュー。

いや、でも実際には受けのほうがガテンでした。後ろ髪だけ括ってる一応短髪な筋肉質な青少年って感じ。写影がないので絵柄がわからないでしょうが、攻めのヤエはエリート然なリーマンで、受けは童顔入ったタンクトップ(かな?)と工事現場のヘルメット付けたイカニモなガテンスタイル。
結構絵が古いタッチのようにも思うけど、少女マンガ的なテイストも加わり、それなりに見やすい野郎共でした。
いやー、久しぶりに受けがいやらしく魅力的に思えたー。現場だからラフな格好をしてるんですが、男くささがありつつ受けっぽい愛らしさもうかがえる表情がたまらなかったー。なんと言ってもかなり露出度高いんですよ!もうしょっちゅう剥かれてる・・・。裸でヒゲ擦りされていちゃついたり。
ちょっとゲイコミっぽい雰囲気が味わえて面白かったー。(とか言いつつゲイコミをそれほど読んでない私)
(以下ネタバレ注意)

展開がもうかなりBLだなーって感じでした。攻めがとても頼りがいのある男であることは、まあ一部の作家さんを除けばセオリーなのですが、この攻めも、だらしがないおっさんのようで実はかなりのやり手。受けはそんな攻めに翻弄される。
ノンケの受けがあからさまなゲイゲイしさを持つ攻めに落とされていくのです。
で、この手の受けにありがちな、ノンケというにはどこにヘテロエロティックな欲望を抱えてるんだかさっぱり不明な受けなんです。
溜まっていた所を攻めに付け入れられバックとペニスの扱きでイカされちゃうんだけど、この受け、「女」の影が全然見えない。攻めに

「どうせ慰めてくれる女も養えやしねーんだろ」

と指摘される以外には女を欲望してる人なのかどうかわからない感じ。
そして不調なときを攻められ、流されていく受け。そんな受けは素直すぎていて(食い物に釣られたり)、攻めの愛情一本リボ○ー!な強引さに押されちゃってなし崩しで抱かれるの。(あらまぁ。)
それでも受けはなぜか強引な攻めに惹かれているので、「裏切られた」りしても強引に犯されちゃっても嫌うことが出来ない。それでまあ攻めは実は頼りになる男なので、ストーリー内で起こる事件をハッピーエンドで解決させて、晴れて同棲生活が始まる。と言った感じの話でした。うーん。ありきたり。

ただ、見所は受けの魅力ですかね。筋肉フェチの攻めに見事な身体を攻め立てられフェロモンを放ってる受けはなかなかでした。男臭い風体が乱れる様は色っぽかったー。そこらへんなかなか美味しかったかナァ。でもゲイコミ読み慣れてる人にはどうなんだろう・・・。攻めも「大胸筋!!」とか言って後ろから胸を揉みしだいたり、いつもセクハラしてて可愛かった(ぇー。そしてちょっとストーカー気質。
でも、最後に攻めが最初に犯しちゃったときの強引さを反省していてね。受けは最初のソレを傷に思ってないんだけど、それでもきちんと二人の付き合いを真剣に考えたくて反省してる攻めは好感ありました。(でもリセットは出来ないんだよね、基本)

あと、ハードSMの格好を皆でするシーンがあるんですよ。みんなと云うのは、攻めと受け以外にも顎割れ筋肉質でお胸がボキュンなSMクイーンが登場するのです。モロパターンなキャラでしたが、どうも私はクイーンが好きなようです。筋肉質でDカップとか、なんか好き。そういや最近美少年におっぱいを付けて欲しいと思ったりする。「それ美少女の間違いじゃない?」と言われるかもだけど、頑として美少年です!


そういや最近こちらに私の想い人を見つけてしまったのです。

空から降るもの (アクアコミックス) (オークラコミックス)

空から降るもの (アクアコミックス) (オークラコミックス)

短編集なんですが、どれも短いのに濃厚!しかもどう纏まってるのかわからないくらいそれぞれの色が“立って”るんですよ!なんか味のまったく違う話がぎゅうっと詰まってて!どれが一番とかいえない!ていうかむしろ共通項がメガネ?そして学生?味わいが旬な感じでした。 コレはオススメ。
で、これの「今のところ思い出せない」という話に出てくる鷲尾勲というおかまが出てくるのね。か、彼の人がなんとも魅力的な脇キャラさんで。

「久しぶりだなあ高校卒業以来?」
「昨日も会ったわよ?ソコの居酒屋で ぶっちゃけアタシも朝帰りよ」
「そのカマ言葉すげぇ懐かしい〜」
「アンタ昨日もソレ言ってたわ」
「・・・・・・・・・・・・わっしー いや鷲尾!お前を男と見込んで訊くが!」
「えーアタシオカマだしー」

と言い合ってる最中わっしーちゃんたらマイストローを缶ジュースに刺して飲んでるんです!
んで、その容姿がすごい私好みで・・・。ストリートではないけどちょっとゲイテイストをにおわせつつ若者なオサレ格好してて。短髪のデカイ系。かっこいいーんだ〜。
突っ込みの切れ味とかあるし!なんかイカス!
嗚呼、でもなんか女の子と居酒屋にいたっけ。その子は彼女なのですか?うぅ、彼女持ちなのかなぁ?(グス

nodada's eye

現場で事故した受けを介抱中のやり取り。

「お前ほんとイイ筋肉してんな この僧帽筋の張りといい三角筋の盛り上がりといい」
ちょ・・・こっこれってひょっとしてヤバイんじゃ・・・
「こっちはどーかな おおやっぱり大胸筋もいい締り具合だ」
「あっあのっヤッヤエさ・・・ん アンタまさか筋肉フェチ?それとも・・・ゲ・・・ゲイ!?」
「正真正銘自他共に認める筋肉フェチのゲイだ」
「ゲゲッ ダブルかよオイッ」

ちょいとレビューする際、ゲイなどの言葉やホモセクシュアルについての記述をメモしていこうかと思います。

しかし本当ヘテロな匂いを放たぬ受けはとってもホモセクシュアルな感じです。ゲイではなく、ホモセクシュアリティな欲望を体現してしまっているのね。どう違うかと云うと、ゲイと云う人々にも色んな人が居る。元々男だけを欲望していた人もいれば、もっとセクシュアリティが曖昧な人も当然居る。(それはヘテロだろうとなんだろうと変わりないですね。)
でも、ホモセクシュアルと云う言葉は医学的なニュアンスがあって。先天的に同性愛の傾向がある人を指すといった印象が私にはあるのね。そう、能のどこかにホモセクシュアルになる原因があるのではないか?!とかいう本質主義的考え方ね。
で、ゲイではなくあくまでノンケの受けが、なんのヘテロ性も出さずに男の魅力に引き込まれる姿は、否応にもホモセクシュアルの「要素」があるんじゃないのかと疑わせるのです。それは本質主義の考え方なんだけど、実はゲイというい記号を使わずに男同士の欲望を描くと、逆にホモセクシュアル(医学的ニュアンス)性を匂わせるという効果があるんじゃないかと思うんだ。
彼はなぜホモセクシュアルでないのにホモセクシュアルを欲望するのか?
そのような問いを立たせると、自然とキャラの中に「『BL的ロマンス』抜きの『男同士の欲望』」が見え隠れするようになる。(彼は本当に攻めを愛したからホモセクシュアルになったのか。だが彼は最初からホモセクシュアルしか欲望していなかったではないか!・・・とね?)

そして更に、設定だけをノンケにすることにより、女に欲情する『男らしさ』を持った男を犯す、といううま味も引き出せるのです。避けなければならない男同士の欲望を開花させるのにノンケは色々と美味しいのです。ちなみに二人の関係に見える力関係は、男女の模倣と云うよりは2人の間の社会的地位と年齢の差異によるものとも思えた。
以上考察終了です。