「さわって、とかして。」レビュー。 

ああー、小鳩さんの描く男の子達を見ていると、まるで彼らの元気な声が聞こえてきそうだよ・・・。

さわって、とかして。 (Dariaコミックス)

さわって、とかして。 (Dariaコミックス)

画像が・・・!
んじゃ、これで。(注:時間が経つと消えるページかもです)
http://www.fwinc.jp/daria/special/kobato/
試し読みもできるので、参考にどうぞー。

あらすじ。

高2の達哉は父親の部下で家庭教師の冴島に「お前は俺を好きになる」と、
いきなりキスをされてしまう! それ以来、反発しつつも冴島を意識してしまう達哉だったが、
いつもふざけた態度の冴島がどこまで本気なのかわからなかった。
なのに、時折見せる大人な表情にドキドキしちゃうし、触れられると感じてしまって!?
ちょっぴりHでキュートな短編集♥

念願のハートマークが付けられたぞー。わーい。
帯。

ダリアコミックス最新刊!!
アンタの事好きだなんて気づきたくなかった――。
MEBARU KOBATO PRESENTS

ちなみに。この作品では、4人組の男の子達の恋愛模様が描かれてあります。

BLレビュー。

『さわって、とかして。』/小鳩めばる | ゲイ&腐男子のBL読書ブログ
小鳩さんのコミックス2冊目です!小鳩さんはまだ二冊しか出してないけれど、BLセオリーをちゃんと掴んでおられて、なかなか安定感のある作家さんです。セオリー的なので、それほど奇抜な物語性ではないのですが、その分ファンシーなキャラに味わいが感じられます。そして、好い感じに崩れた絵をお描きになるのに、実はしっかり画力あるんですよね^^
試し読みを読まれたなら詳しく説明する必要はないと思いますが、絵もキャラクタもテンションも、ファンシーな作風なんですよね。んで、大槻ミゥさんと近いのですが、ルーズなファッションだとか、「若者らしさ」のある高校生(好き!)をよくお描きになられまするwこれが大変可愛いのですが、・・・たとえるなら、最近のジャニと近いかなぁ。私はあんまりファッションに詳しくないので、この感じを何と言えばいいのかわかりませんがー。まあ、察してください。←雑!
でも、あの細っこいけどセクシーな体のラインはたまりません!Hシーンなんかでは、ちょっと粘着質っぽいべちょべちょ感がエロいですよー。彼らはよく濡れています。理由は謎です。(マンガだから・・・)

で、内容なんですが。
あのですね、彼らは男同士でラブすることに対して特に抵抗がないんですよ。彼らがデキるまでにハードルになるのは、あくまで恋愛の普遍的な問題点ばかりだったりします。(ただし、最後の話だけはちょっと異色)
つまり、「男同士なのに!」と言う問題ではなくて、「相手は本当に自分の事を好きなのかしら?」という問題に重点が置かれてあるのです。そして、小鳩さんの持ち味である、キュートなイチャラブ加減が、今回もとても美味しい。ですから、「男同士なのに!」という葛藤に萌える方よりは、単純に男同士のイチャラブに萌える方にこそオススメです。
しかも、今回それぞれのお話(短編)に<描き下ろし後日談>が付いているので、よりイチャラブ加減が堪能できると思います♪
あ、でもね。小鳩さんも受けと攻めの関係を「女役・男役」と表現する方なので、そこらへん気になる人はちょっと気をつけて。(でも、私はスルー出来る範囲でしたけど。)

でね、でね!このコミックスに出てくる全ての攻めに共通してることなんですが、皆、肝心なところでヘタレているのです!それがツボでしたw

「さわって、とかして。」「さわって、あまえて。」「冴島とタッちゃんの恋人事情」

試し読みのお話です。受けが照れています。やたら照れているので、それが誤解を招きます。受けの微妙な態度を見て、攻めが「もしかして俺の事好きじゃないのか!?」と心配になります。でも、これも一つの照れなんですよねw
この攻めは、実は自信家に見えて繊細なハートの持ち主。そして、カッコつけてるのに焼きもち屋さんというへたれさん・・・。

「HOW DO YOU THINK I FEEL」「敦とテツの恋人事情」

レンタルビデオ屋のバイト仲間である一人の男と“だけ”上手くコミュニケーションが取れない受けのお話。ちなみに、試し読みの最後らへんのページに出てきたバイクの派手な兄ちゃんが、この受けです。
受けは、自分に“だけ”つれない態度の攻めに憤る。しかし、それでも親しくなろうと勇みます。一見そんなことをするタイプに見えないのに、なんでそんな積極的に近づこうとするのか不思議でならないのですが・・・、攻めに対してかなりのアタックっぷりです。最初から攻めに気があったとしか思えません。
無愛想だけれど、好きな映画話になると満面笑顔になっちゃう攻めが可愛らしかったです。照れのある男性ってツボだ。

「君と見る星がきれい」「浩太郎と青井さんの恋人事情」

乙女な年下攻めのお話になります。攻めは、家業である銭湯の番台を手伝うのです。そこに現れるのが、麗しき美青年(年齢不詳だけどわりと大人です)。
受けの少し儚げで清らかな微笑がまぶしいのです・・・。が!この受けも曲者で、実は天然なドジッ子なのです。
そして、この受けに対する攻めの形容が印象的です。ただ「きれい」と言うだけではなく、「目の前に星が飛んだ」と言うところが面白いですね。
受けはそんな彼の感性を「子どもの感性」として捉えますが、もちろん「子ども」の感性なのではないですよね。これは、攻めの乙女らしさが如実に現れるところなのであります。4人の中でいちばん地味っぽくて、一見ただの「男の子」キャラなのですが、乙女!口説き落とすところも、他の男とは格が違います。乙女男so cool!

「FLIP・FLOP前編後編」「旬とキヨの恋人事情」

兄弟もの〜〜〜^^やったー。お兄ちゃん受けだー。わーい。
おバカに成長中のお兄ちゃんは、弟大好きっ子。なのだけれど、この頃の弟はめっきりと兄離れをしてしまった。頭の賢い弟に成長した彼は、兄に対して不遜に振る舞う。もう昔みたいに仲良くしてくれないのかと寂しくなるお兄ちゃん受け。しかしてさりとてさもありなん・・・というお話。・・・ん、わからない?えーと、ある時期から兄と一緒にお風呂に入るのを嫌がるようになった弟だけれど・・・。と言うお話です。これだけ言えばわかるよねー。
このお話だけちょっとシリアスです。でも、やっぱりそれほど兄弟という所に抵抗がないような、あるような・・・?

「それぞれの恋人事情」

4人組が、それぞれの恋人について雑談するというお話。一人が「俺の恋人は手すら繋いでくれない」と悩みを打ち明けるのですが、そこから、お互いの恋人について語り始めるのです。これが私的にかなり面白いオチ。
彼らはお互いに自分の恋人が男である事を告げずに恋人談義をしているのですよ。つまり、4人全てが「自分以外は皆男女のカップルなのだ」と思い込んでいる。しかし、実際は、皆男同士なのでございます。なのに、「自分の恋人は男だけど、こいつらの話は女の恋人についてだから、参考にならない」と思うわけです。
・・・・これって面白くないですか?

以下ネタバレ注意ー。

nodada's eye.

恋愛関係には、男同士だとか女同士だとか男女だとか、その他色々な関係がありますよね。で、そういう多様な関係について「ジェンダーの組み合わせによって“恋愛模様の中身は異なる”」と思ってるところって、ありませんか?「男同士はフツーじゃないから男女の関係とは異なる」みたいな意識ってあると思うんですよ。でも、ここではその前提が覆されてるんです。
つ・ま・り。「男女関係と男男関係は、本質的に異なるものだ」という考え方は、実は頭の中だけにあるもので、実際はそれほど変わらないということを表現してるのです。「異なる」という意識は、あくまで作られたものである事を示す表現は楽しい!


で、兄弟ものの話に戻ります。

「・・・こんな時まで 兄貴面 ・・・するんだ・・・? [・・・]・・・お前みたいなウザイ兄貴 マジ要らねーんだけど」

「また兄貴面かよ・・・」
「違う!!」
[・・・]
「ずっと お前が可愛くて仕方がなかった 『弟だから』そうだと思ってた ・・・けど [・・・]・・・すき だ から」

こんな可愛い弟 おれにしかいないって 今もそう思ってるぜ

うーん、これは、『弟として』好きなのか、『弟ではない存在として』好きなのか・・・、どっちだ。

やっぱり、歯切れ良く「『弟として』好きだ」と言ってのけるのは、トジツキハジメさんくらいなのかもしれないなぁ・・・。

:例
「俺は、お前が男だから好きなんじゃなくって、“お前”だから好きなんだ!」

メモ。

「おれもいれたい。」
えーー〜
[・・・]
「・・・兄貴 知らねーの? 岡田家代々の言い伝えだと 長男が弟に入れると呪われて死ぬらしいぜ・・・?」

な、なんだって〜ーー!・・・w