「キミログ」!

ココログ・・・?でもここははてブで〜す。

キミログ (白泉社花丸文庫)

キミログ (白泉社花丸文庫)

[rakuten:book:12674278:detail]むっちり中学生だ〜^^
あらすじ。

どこにでもいそうな中学二年生の高垣睦は、寝る前にインターネットに繋ぐことが日課になっていた。ある日、睦は同じクラスで近寄りがたい優等生の曽原淳が開設しているブログを偶然発見する。が、そこに書かれている文体は、普段の曽原とは全然違う弾けた文体で、秘かに好きな人がいるなんてことも告白していた。が、その「好きな人」の符号がなんだか睦と合致するような気がして!?
第58回花丸新人賞受賞作に書下ろしを追加した、純愛電波恋物語

純愛電波恋物語!でも、なかなかに言い得てる・・・。
帯。

ネットの中のキミは、熱くてサイコーな奴!!

まじサイコーでしたwww

BLレビュー。

TB先〜。
『キミログ』/高将にぐん(室木チカ) | ゲイ&腐男子のBL読書ブログ
ためし読みはこちら。
s-book.com
一応恋における一連の流れはBLとして一般的なものなんですが、いや、コレ侮りがたしって感じでした。最後うかつにも感動してしまった・・・っ。いや、本当に面白かったですよ。最初のうち「花丸は相性悪いんだよなぁ。しかも元気受け(ていうかこの話、「受け/攻め」ってあったのかな?)かぁ・・・」と思ってたのですが、すご〜く色々と楽しめました。
何が面白いって「ソファラ」くんのブログが。
(曽原だからブログのHNは「ソファラ」なんです。ブログ名「ドレミソファラ」)
えっと、初期の文面を引用しましょうか?

 エプロン!
 エプロン!
 A★P★RO★N!
 エプロンってすごく可愛くないですか!?
 今日、偶然あの子のバイト先へ行ったのですが、あの子は制服のままエプロンをつけていて、それがもう滅茶苦茶可愛くて! 僕の心臓は一秒間で地球を七周半しちゃって、それを捕まえるのに必死で、あの子との会話もろくに頭が回らなくって。神様、ここはパラダイスですか、それともヘブンですか? 助けてください、僕の辞書に「萌え」という単語が登録されました。

もはや「ダメだ!コイツ、早く何とかしないと!!」レベルです。
仮にも(<「仮にも」ってなんだ・・・)BLの攻めと思しき少年が「萌え」とか言うな・・・!しかもこの妙に気恥ずかしくなる文体で・・・!

・・・いやぁ、正直小説でブログを読むと赤面します。しかもどんどんテンションは上がっていくし!しかもそれに釣られていつの間にかハマっちゃってる自分がいるし!!ヤベー!こいつヤベー!ソファラマジックだ!恐ろしい子っ。
でも中学生であれだけコネタ使いまわせるなんて、大した奴だよ実際・・・。。。

ていうか、ネタが「ブログ」って・・・!!いや、それ崩しすぎでしょ!?BLとしての花丸としての形式を保ててないって気がするのは私だけ?いやぁ、・・・本当印象的なネタでした。ブログを通して相手の気持ちを知ってしまう睦。読まれている曽原はそうとは知らず、存分に繰り広げる「ソファラ節」と、オフ生活でのポーカーフェイスな好青年(少年)っぷり・・・。このギャップがまた、ね・・・v
しかもすごいですよ。この「ソファラ節」にはモデルがいるらしく、その人のブログは作中のものよりもさらにハイテンションなんだとか!よ、読んでみたい・・・。あれ以上のハイテンションブログ・・・どんなだ。・・・え?フォント7でボールド&イタレリックかけた七色の文字で綴られた日記・・・?・・・いやいやいや。。。

さて、ブログを運営してる人なら分かると思いますが、これ読むの、なかなかの自虐行為です、はい。読んでてこっちが恥ずかしいです。だって、私も実際にブログやってますもん。客観視できやしない(+з+) たぶん、ブログやってる人とそうでない人とでコレの感想って変わると思う。私には軽く恥辱プレイでした。。。
だって、ソファラ痛すぎ・・・!!!
コレを読んでると、うっかりBLを読んでるということすらも忘れます。コレね、曽原とソファラが生々しいんですよ。だって、こういうブログやってる人実際にいますもん。もっとシャレにならん(ゲイ)ブロガーさんもいらっしゃって、私もそれを読んでるし・・・。頭の中でリアルのブロガーさんとソファラくんが異常にダブる・・・。ハイなときもあればローな時もあって、なんだか本当にブログ読んでるみたいでヤバス。

そもそも、ブログを扱ったBLなんてコレが初めてだと思うのですが・・・(そして、その質は正統派・BL版『ユーガットメール』の域でした!<ちょっと内容違うけど。)。今回の「ブログ」というテーマ自体が人の“二面性”を扱っているわけで、この装置のおかげで、読者の私は『ドレミソファラ』がまるで「現実のブログのお話」かのように錯覚してしまうんです。(まあ大げさですが。)ブログの文面を読むことにより、「ああ、曽原はソファラを演じてて、彼にとってブログがファンタジー面で学校生活がリアル面なんだな・・・」と認識するわけですね。そうなると、「このBL小説がファンタジーであって、BL小説でない私(読者)たちのいるセカイがリアルなんだ」という認識がズレてしまうんですよ。(まあ大げさですが。)
・・・つまりですね、小説という『ファンタジー』の中でブログという『ファンタジー』を読む。それは「夢の中で夢を見る」、みたいな一種倒錯的な構成だと感じる。その構成により「ファンタジー/リアル」という構図がズラされてしまい、曽原という人格が通常の小説のキャラクタよりも立体感を増し、現実セカイにいる私と近しく感じられるというわけ。(まあ大げさですが。)
この構成は本当に面白い。ネタとしてはそれほどありえなくもないはずなのに、実に奇抜な印象を受けました。これは秀逸。敬遠せずに読んで本当によかった。だって、まるでブロガーさんの恋を応援したい気持ちになるんですもん。なんだかちょっぴりドラマティックで、ネット系恋愛模様を巧く、そしてわかりやすくテンプレな形に纏め上げた作品で、私はいつの間にかこのお話が本気で好きになりました・・・。
あとがきで作者さんは「ソファラはブログを訪問してくれる人達の事を『友達』と呼んでいますが、それはそのまま私の気持ちだったりします。繋がる。伝わる。便利な世の中になったけれど(webが)人とのふれあいであることには変わりがなくて」と仰ってるのですが、その姿勢が伝わるエンドマークで、清々しい味わいを感じました。「そうなんだよね!」と暑苦しく共感しちゃえる恥ずかしい私ですが、これは案外自分に合っている作品w

ちょっぴり読んでて恥ずかしくなる中学生のイタ可愛いお話でした〜。

nodada's eye.

もちろん今作にもいつも通り異性愛規範はあるのですが、(ある程度は仕方がない、そういう社会を舞台に描いているのだから。)それほどホモフォビックな印象を感じなかったので読みやすかった。彼らにも男ラブしてる以外は同性愛性(つーかゲイネス)は見当たらないのですが、しかし、どこか同性愛へのハードルが低いようにも感じられる、ような気が・・・するような・・・。それがBLキャラの愛しいところです。
睦が「曽原が好きなんてありえない!」と苦悶するシーンがいくつかあるのですが、その理由は、相手が同性であること、相手がかっこよく見えて実は「馬鹿ソファラ」であること、自分が世間的に大して可愛くないこと、なんですね。で、この3つが同列に置かれている箇所があって、それを読むと「ああ、この子の実感からすれば、男同士であることは自分の容姿がそこまでイケてない事や相手が馬鹿であることと同レベルな些細な事なのかもしれないなぁ・・・」と思えて・・・。けれど、「男なのにありえない!」とくどくど言っている箇所もあるので、それは誤読かもしれませんが。
でも、案外そういうキャラ多いんですよ、BLでは。今回はそこで無闇に「同性愛はどうのこうの・・・」と理屈を捏ねなかったから、その分読みやすかったです。女の子キャラもイヤなこと言わなかったし。

ま、この作品に限った話ではないんですが。

あと、どうでもいいけど、何で睦の挨拶は「にゃっす」なのだろう・・・?