「子連れオオカミ」を読んだ。

拍手ありがとうございます!コメントをお二方から頂いたのでお返事。

一読者さん、温かい言葉ありがとうございます。3月はもうちょっと更新できたらと思いますw

8時ごろいらした方へ。面白いと言ってもらえると本当ホっとします^^ありがとうございます。まあでも私もたまには萌え〜としか言わないときもありますwどうぞよろしく(笑)

ちょっと先のコメントにマジレスしますと、BLをエンタメだと大別するのに私も特に異存はありません。ですが、「エンタメなのだから様々な視点や批評や研究から自由なはずだし、無関係でいられる」という理屈は成り立ちません。もっと言えば、BLをBLならざるものに解釈し、異端な意味を作り出すこともありえます。そうした事象は何もBL圏内に限らないでしょう。あらゆるものがあらゆる者にまなざされている。それだけのことです。

そして私は、BLが「男と男の性愛」あるいは「ホモ」を描くジャンルである限り、距離を感じつつも自分の物語として消費し、まなざすまでです。



子連れオオカミ (バンブー・コミックス 麗人セレクション)

子連れオオカミ (バンブー・コミックス 麗人セレクション)

  • あらすじ。

同じ日に偶然アパートの上と下に越してきたバツ一・子持ちのふたりの男。同じ境遇ゆえか、すぐに意気投合し、互いの家を行き来する間柄となったのだがある晩、酔った勢いで起こった事件(?)からふたりの仲は険悪に…!?麗人Bravo!誌上で大好評だったバツ一パパ同士の恋愛模様を描いたシリーズが大幅描き下ろし番外編収録で待望のコミックス化!!他、会社社長とキャバクラのマネージャーの不器用な恋愛を描いたシリーズ2作と読み切りを収録した見どころ満載の最新作品集♥

  • 帯。

男として…父親としてモラルやプライドもあるけれど この人の笑顔を一生見ていたい。
バツ一・子持ち同士の一筋縄ではいかない恋愛の行方は?その後の二人を描いた描き下ろしも収録!!

BLレビュー。+nodada's eye.

基本的に帯にある通りのテーマでした(ただし、男同士のプライド争いのために女達を買い捲る彼らに、果たして「モラル」があると言えるのか謎だけどw)。まず一言で感想を述べますと、大変面白かったです。展開が独特のテンポで、味わい深いユニークなストーリー性を感じます。コメディチックにグルグル遠回りをしちゃった彼らのラストには、どれもグっと胸にくる感動があって、読み応えは太鼓判。

にしても、この方の描くセックスシーンは肉体描写がエロい!これは、赤ん坊たちの容赦ないキモさなど、息遣いの伝わる人物描写と繋がっているんだと思います。
1stコミックスも大変良かったですが、力を感じる作家さんですね。
それから今回興味深かったのが、今まで読んできたBLに「まさか、〜〜って意味合いじゃないよな、この展開」って思ってたことを、きっちり「その通り」と語られてしまって意外だったことなんだけど、それはまた今度書くとしよう。(私の事だから保障はしないけど)


ねたバレ以下。


しかし、なんとも言えない歯切れの悪さ。一度は関係を持ったのに、グダグダと言い訳を繰り返し、中々はっきりしない彼らの葛藤は何とも回りくどい。これは彼らがヘテロであったこと、いや、ストレートな生活を希求する者であったことが大きく影響していそう。たとえば表題作の受けが、育児検診で「片親の子供は発育が遅れるケースがある」と言われてから攻めとの関係を絶ち、結局再婚を選ぶ事。『ララルー』の受け攻めが―――「これまでの恋と違ったのは性別だけじゃない、相手に入れ込みすぎた(から云々)」と言いつつも―――「結婚して落ち着き、それから愛人を囲えばいいのでは」と諭されてから、やはり異性との関係に落ち着こうと試みること。
これらは、彼らのセクシュアリティ(と言ってもアイデンティティの話だけではない、ライフスタイルとしてのセクシュアリティも含む)が通過せざるを得なかった回り道のように、見えるかもしれない。

だが、これまで惚れたら一直線、迷うのはただの一瞬だけという攻め受けを愛す私としては、彼らの煮え切らなさは往生際が悪いと思うのだ。―――しかも『子連れ〜』なんかは、本当に運良く天の采配で再会できたからいいものの、それがなかったら今頃すっぱっかたわよね〜。ていうか『子連れ〜』と『ララルー』のお前ら、うまく行ってる傍から別れ切り出すの、心臓に悪いんだよ(泣)何かの嫌がらせか!?

こうした「男同士のゴタゴタに女を巻き込む」姿は、たとえ彼らがヘテロであっても、男同士・同性間パートナーシップへの抑圧や保障の少なさがあっても、私の美学に反します。「男同士の問題は男たちだけで解決しろ。」もちろん、これも大変理不尽な要求ではあります。そんなん人の勝手だし。
でも酷いのよ。『ララルー』『チムチムチェリー』の二人なんかは、一度性別や「友人関係のほうが長く良い関係が築けるから」などの理由で別れたくせに、今の彼女に嫉妬した受けが突然「この男は俺の恋人だ、君は邪魔!帰れ」と言い放ち、それを喜び攻めまでも「彼にいてもらうから君は帰って」と身勝手に女を振り回すの!

これほどはた迷惑な連中もそういないわ。別に迷惑かけるなって言いたいわけじゃないわよ?人は人に迷惑をかけるものよ。だけど、男のケツは男が舐めるものよ。違った、拭くものよ。と勝手に私は信じきっている。無駄に。

で、3つ目のお話。1stコミックスにあった「なぜかゲイばかりが集まるアパートの住人たちの物語」の続編・『201』。これは唯一オネエなゲイカップルのお話なんだけど。本当はたらたら末永く続くような信頼があるくせに「年に1,2回はどっちかが浮気してヤキモチ妬かせることで確認しあってる(かもしれない。)<推測」っていう彼らと、先の2カップルってやってる事同じよねぇ?
ああ、そうか。そのためなら『子連れ〜』みたく、再婚もやむなし!ってことかしら!?ヘテロってつくづく怖い。怖くないけど。<どっち。


いずれにせよ、幸せそうな事は結構な事ですよ。今後はひと騒動起こさずにいてくれたら万々歳だわ。